なぜ太陽光発電は災害時の備えになるのか?メリットや活用ポイントを解説!

- 地震や台風など、自然災害による停電が不安…
- 停電時にも自宅で電気が使えたら安心なのに…
- 太陽光発電って災害時に本当に役に立つの?
こんな悩みにお答えします。
近年、日本各地で自然災害が増えています。もしもの時、電気が止まってしまったらと考えると不安になりますよね。
太陽光発電は、そんな災害による停電への備えとして注目されています。太陽光発電を導入すれば、停電時でも自宅で電気を使える可能性があるからです。
この記事では、以下の内容をお伝えします。
- 太陽光発電が災害時に役立つ理由
- 災害時に太陽光発電を利用する3つのメリット
- 太陽光発電システムの自立運転モードの仕組み
- 災害時における太陽光発電の活用ポイント
- 災害時以外で太陽光発電を導入する3つのメリット
最後まで読めば、太陽光発電があなたの暮らしにどのような安心をもたらすのか理解でき、導入を検討する一助になるでしょう。
ぜひチェックしてみてくださいね。
太陽光発電が災害時の備えになる理由
太陽光発電システムは、災害による停電が発生した場合でも、太陽の光があれば電気を発電できるからです。
電力会社からの電力供給が途絶えても、自宅で電気を作り出すことができるため、災害時の備えとして非常に有効です。
特に、日中に太陽が出ている時間帯であれば、発電した電気をすぐに使用できるメリットがあります。
このように太陽光発電を設置していれば、もしもの時にも最低限の電力を確保し、安心して過ごすことにつながるのです。
太陽光発電システムでカバーできる電力量とは?
太陽光発電システムが災害時において、「どれくらいの電力を供給できるの?」と気になる方もいるでしょう。
停電時に太陽光発電システムを『自立運転モード』に切り替えることで、パワーコンディショナーにある非常用コンセントから電力を取り出すことが可能です。
一般的に、この自立運転用コンセントから使用できる電力は最大で1500W程度とされています。この1500Wの範囲内であれば、複数の電気機器を同時に使用できます。
例えば、テレビで情報を得たり、冷蔵庫を動かして食料を保存したり、携帯電話を充電するといった使い方ができます。
ただし、晴天時であれば比較的安定した発電が期待できますが、雨天や曇天時には発電量が低下するため、使用できる電力量も少なくなる場合があります。
使用したい機器の消費電力や優先順位をあらかじめ把握しておくことが大切です。なお、パソコンなどの精密機器や、電源が切れると困る医療機器などの使用には特に注意する必要があります。
災害時に太陽光発電を利用する3つのメリット
災害が発生し停電が起きた際に、太陽光発電が自宅にあることで次の3つのメリットが得られます。
- 情報収集や連絡が可能になる
- 冷蔵庫の使用が可能になる
- 室温対策ができる
電気の供給がストップすると、様々な面で普段通りの生活が難しくなるでしょう。
しかし太陽光発電があれば、上記のように非常時の大きな助けとなります。
それぞれのメリットについて詳しく説明していきます。
①情報収集や連絡が可能になる
災害時には、正確な情報を迅速に得ることが非常に重要です。また、家族や友人との安否確認も欠かせません。
停電が発生すると、テレビやインターネット、電話などの通信手段が使えなくなる可能性があります。
しかし、太陽光発電があれば、発電した電気を使ってスマートフォンを充電したり、テレビやラジオをつけたりすることができます。
これにより、最新の災害情報を入手したり、大切な人と連絡を取り合ったりすることが可能となり、孤立を防げるメリットもあります。
②冷蔵庫の使用が可能になる
災害時の停電が長引くと困るのが、冷蔵庫の中身です。食品が傷んでしまうと、食料の確保が大きな問題となります。
太陽光発電を利用すれば、冷蔵庫を稼働させ続けられるメリットがあります。
これにより、食料を安全に保存することが可能となり、食中毒のリスクを減らすことにも繋がります。
特に、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、食品の管理は非常に重要なため、冷蔵庫が使える安心感は大きいと言えるでしょう。
③室温対策ができる
災害が発生した時期によっては、厳しい暑さや寒さの中で停電が起こることもあります。
夏場であれば熱中症の危険が増し、冬場であれば凍えるような寒さに耐えなければならないかもしれません。
そこで、太陽光発電で発電した電気を使うことができれば、扇風機やスポットクーラー、電気毛布などの家電の使用によって室温を調整しやすくなります。
これにより、体調を崩すリスクを減らし、より安全に自宅で過ごすことができます。
特に、エアコンなどの消費電力が大きい機器は、太陽光発電だけでは稼働が難しい場合もありますが、消費電力が比較的少ない機器を活用することで、快適性を保つことが期待できます。
【災害時に活用】自立運転モードの仕組みを理解しておこう!
太陽光発電システムは、通常、電力会社の送電線と繋がって運転しています。
しかし、停電が発生すると、安全のために電力会社からの電力供給がストップし、太陽光発電システムも自動的に運転を停止します。
この時、太陽光発電で発電した電気を自宅で使うためには、『自立運転モード』への切り替えが必要になります。
自立運転モードにすることで、電力会社の送電線から切り離された状態で太陽光発電システムを稼働させ、発電した電気を特定のコンセントから利用できるようになります。
停電時に慌てずに電気を使えるように、この自立運転モードの仕組みや使い方を理解しておきましょう。
自立運転モードの特徴とは?
太陽光発電システムの自立運転モードとは、停電時に電力会社からの電力供給がなくても、太陽光によって発電した電気を家庭内で使用するための機能です。
通常運転時は、発電した電気を家庭で消費したり、余った電気を電力会社に売電したりしていますが、停電時にはこれらの機能が停止します。
自立運転モードに切り替えることで、太陽光パネルが発電した直流の電気をパワーコンディショナーが交流に変換し、非常用コンセントを通じて家電製品などに供給できるようになります。
ただし、使用できる電力量には上限があり、一般的には最大1500W程度までと定められています。
また、太陽が出ていない夜間や、曇りや雨で発電量が少ない時には利用できないという特徴もあります。
自立運転モードへ切り替える方法
災害時の停電が発生した際に、太陽光発電システムを自立運転モードに切り替える方法はメーカーや機種によって異なりますが、基本的な流れは共通しています。
主な流れは以下のとおりです。
- 安全のために自宅全体の主電源ブレーカーをオフにする
- 太陽光発電システム専用のブレーカーもオフにする
- パワーコンディショナーの操作パネルにあるスイッチやボタンを使って、運転モードを「連系運転」から「自立運転」に切り替える
切り替えが完了すると、パワーコンディショナーに設置されている自立運転用のコンセントから電気が使えるようになります。
詳しい操作方法については、必ず設置時に受け取った取扱説明書を確認しておきましょう。平常時に一度確認しておくと、いざという時にスムーズに対応できるでしょう。
自立運転用コンセントの使い方と注意点
自立運転モードに切り替えたら、パワーコンディショナーに設置されている自立運転用コンセントに、使いたい電化製品のプラグを差し込んで電力を利用します。
このコンセントは、通常の家庭用コンセントとは異なり、停電時でも太陽光発電からの電力が供給される専用のものです。
ただし、使用する際にはいくつかの注意点があります。
使える電力量や動かせない家電に気をつけよう!
太陽光発電の自立運転モードで利用できる電力は、一般的に最大1500W程度です。
これは、多くの一般的な家電製品を動かすには十分な電力ですが、消費電力が大きいエアコンや電子レンジ、ドライヤーなどを同時に複数使うと、上限を超えてしまい、電力が供給されなくなる可能性があるため気をつけましょう。
このように、モーターを使用しているドライヤーなどの家電や、電源が急に切れると困るパソコンなどの精密機器は、太陽光発電の不安定な電力供給には適さない場合があります。
停電時には、どの家電が使えて、どの家電が使えないのか、あらかじめリストアップしておき、消費電力を確認しておくことが重要です。
特に、情報収集に使うテレビやラジオ、連絡手段となるスマートフォンの充電などを優先的に使用できるように計画しておくと良いでしょう。
医療機器など、生命に関わる機器については、太陽光発電を頼るのではなく、別途非常用電源の準備を検討することをおすすめします。
災害時における太陽光発電の活用ポイント
では、災害時に太陽光発電システムを効果的に活用するためのポイントをご紹介します。
特に重要な2つのポイントは、以下のとおりです。
- どこに自立運転用コンセントを設置するか
- 蓄電池を併用すること
太陽光発電システムは単に設置しているだけでなく、非常時にどのように使うかを事前に理解しておくことで、いざという時に慌てず、最大限に機能を活かすことができます。
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
自立運転用コンセントの設置場所をよく考えよう!
太陽光発電システムが停電時に使用できる電力は、パワーコンディショナーに設置されている自立運転用コンセントから供給されます。そのため、このコンセントの設置場所が災害時の利便性に大きく影響します。
パワーコンディショナーは屋外に設置されることもありますが、その場合、雨風にさらされたり、夜間に使用するのが難しかったりする可能性があります。
理想としては、停電時にも安全かつ簡単にアクセスできる場所に設置するようにしましょう。
また、使用したい電化製品の近くにコンセントがない場合、長い延長コードが必要になることもあります。設置場所を決める際には、これらの点を考慮し、災害時に最も使いやすい場所を選ぶことが重要です。
すでに設置されている場合は、自立運転用コンセントの位置を家族全員で共有しておくと良いでしょう。
蓄電池を併用すると効率的に使える!
太陽光発電は太陽が出ている昼間にしか発電できません。そのため、夜間や日照時間が少ない曇りや雨の日には、太陽光発電だけでは電力の供給が難しくなります。
ここで活躍するのが蓄電池。
蓄電池を太陽光発電システムと併用することで、日中に発電して余った電気を蓄えられるからです。蓄えた電気は、太陽が出ていない夜間や、天候の悪い日でも使用することが可能です。
これにより、停電時でも時間帯や天候に左右されずに電気を使用できるようになり、非常時の電力確保がより安定します。例えば、夜間に照明を使ったり、スマートフォンの充電をしたり、情報収集のためにテレビを見たりするなど。
蓄電池を併用することで、災害時に太陽光発電システムをさらに効率的かつ便利に活用できるようになります。
停電時における蓄電池利用の注意点とは?
蓄電池は停電時に非常に役立ちますが、利用する上での注意点も存在します。
まず、蓄電池の容量には限りがあるため、貯めてある電力量以上の電気は使用できません。停電が長引く場合は、使用する電化製品を限定したり、消費電力を抑えたりする必要があります。
また、蓄電池の種類によっては、一度に供給できる電力量(出力)に上限があるため、消費電力が大きい家電製品は使用できない場合があります。
さらに、蓄電池もパワーコンディショナーと同様に、停電時に自立運転モードへの切り替えが必要な場合があります。手動での切り替えが必要なタイプと、自動で切り替わるタイプがあるため、自宅に設置されている蓄電池の取扱説明書を事前に確認しておきましょう。
安全のため、水濡れや衝撃を避け、取扱説明書に記載されている正しい方法で使用することが求められます。

【災害時以外】太陽光発電を導入する3つのメリット
太陽光発電システムは、災害時の停電対策として非常に有効ですが、そもそも普段の生活においても多くのメリットがあります。
具体的には、次の3つのメリットが得られます。
- 電気料金を削減できる
- 家の断熱性を向上できる
- 環境問題に配慮できる
①電気料金を削減できる
太陽光発電を導入する大きなメリットの一つは、毎月の電気料金を削減できることです。
なぜなら、太陽が出ている昼間は、太陽光発電システムで発電した電気を自宅で使用できるからです。これにより、電力会社から購入する電気の量が減るため、その分の電気代がかからなくなります。
特に、日中の電気使用量が多い家庭では、電気料金の削減効果を実感しやすいでしょう。
また、発電した電気を全て使いきれなかった場合は、余った電気を電力会社に売ることも可能です。売電収入を得ることで、さらに経済的なメリットを享受できます。
②家の断熱性を向上できる
太陽光パネルを屋根に設置することで、住宅の断熱性を向上させる効果も期待できます。
太陽光パネルが屋根材の上に設置されることで、夏場は屋根が受ける日差しを和らげ、室内への熱の伝わりを抑える遮熱効果があるからです。
これにより、エアコンの使用量を減らし、涼しく過ごすことができます。冬場は、太陽光パネルと屋根材の間に空気の層ができることで、室内の熱が外に逃げにくくなる断熱効果が期待できます。
結果として、冷暖房の効率が向上し、年間を通して快適に過ごしながら、電気代の削減にも繋がります。
③環境問題に配慮できる
太陽光発電は、発電時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)をほとんど排出しません。
石油や石炭などの化石燃料を使った火力発電に比べて、環境負荷が非常に少ないクリーンなエネルギーだからです。
つまり、太陽光発電を導入することで、家庭で使用する電気の一部を再生可能エネルギーでまかなうことができ、地球温暖化対策にも貢献できるのです。
近年、SDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まる中で、太陽光発電の導入は環境問題への意識が高い取り組みとして評価されています。
太陽光発電と蓄電池の組み合わせがおすすめ!
災害時の停電への備えをより万全にしたいのであれば、やはり太陽光発電と蓄電池の組み合わせが非常に有効でおすすめです。
太陽光発電だけでは、夜間や天候の悪い日に発電量が不足したり、電気が使えなくなったりする可能性があります。しかし、蓄電池を併設することで、日中に太陽光で発電して余った電気を貯めておくことができ、必要な時にいつでもその電気を使うことができるからです。
停電時でも夜間の照明や家電の使用が可能になり、情報収集や連絡、冷蔵庫の使用、室温対策といった最低限の生活を維持するための電力を確保しやすくなります。
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、災害による長期間の停電が発生した場合でも、より安心して自宅で過ごせる環境を整えることができるでしょう。
太陽光発電に関するよくある質問
太陽光発電の導入を検討している方が疑問に思うであろう点について、よくある質問とその回答をまとめました。
それぞれ参考にしてみてください。
太陽光発電と蓄電池の設置費用はどれくらい?
太陽光発電システムと蓄電池を両方設置する場合の費用は、システムの容量やメーカー、工事内容によって大きく異なります。
一般的に、住宅用の太陽光発電システム(5kW程度)と蓄電池(10kWh程度)を合わせた設置費用は、200万円〜400万円以上になる傾向があります。
ただし、近年は価格が下がってきている傾向も。また、自治体によっては、太陽光発電や蓄電池の設置に対して補助金制度を設けている場合があるため、こうした制度を活用することで初期費用を抑えられる可能性があります。
正確な費用を知るためには、複数の施工会社から見積もりを取り、比較検討することが欠かせません。
太陽光発電と蓄電池の寿命はどれくらい?
太陽光発電を構成する機器にはそれぞれ寿命の目安があります。
太陽光パネル自体の寿命は比較的長く、一般的に25年〜30年程度と言われています。一方、発電した電気を家庭で使えるように変換するパワーコンディショナーの寿命は、一般的に10年〜15年程度とされています。
また、蓄電池の寿命は種類や使用状況によって異なりますが、一般的に10年〜15年程度が目安となることが多いです。
これらの機器は同時に交換が必要になるわけではなく、それぞれの寿命に応じてメンテナンスや交換が必要です。
長く安心して使用するためには、定期的な点検やメンテナンスを行うことをおすすめします。
太陽光発電はマンションでも設置できる?
マンションにお住まいの場合でも、太陽光発電を設置できる可能性はあります。
ただし、戸建て住宅とは異なり、マンション全体に関わることなので、管理組合やオーナーの許可が必要となります。
種類にもよりますが、個人の専有部分であるベランダに設置する小規模なシステムや、マンションの屋上などの共有部分に設置するケースが考えられます。
一方で、マンション全体で太陽光発電システムを導入し、各住戸に電力を供給する仕組みもあります。
マンションでの太陽光発電の設置を検討する場合は、まずマンションの規約を確認し、管理組合やオーナーに相談してみることが第一歩となります。
まとめ
今回は、太陽光発電が災害時の備えとしていかに有効か、そのメリットや活用ポイントについて詳しく解説しました。
太陽光発電を導入すれば、停電時でも太陽が出ている限り、非常用コンセントから電力を利用できます。
これにより、情報収集や連絡手段の確保、冷蔵庫による食料の保存、そして扇風機や電気毛布などを使った室温対策が可能となり、災害時でも比較的安心して自宅で過ごせる可能性が高まります。
また、蓄電池を併用することで、夜間や悪天候時にも蓄えた電気を使用できるようになり、さらに電力の安心感を高めることができます。
普段は電気料金の削減や家の断熱性向上といったメリットも享受できる太陽光発電。
これを機に、災害への備えと普段の生活の質の向上を目指し、太陽光発電の導入を検討してみてはいかがでしょうか。蓄電池を併用できればさらなる安心感を得られるでしょう。 専門の業者に相談し、自宅に合った最適なシステムを見つけることから始めてみましょう。



