蓄電池で電気代が上がった要因とは?4つの原因と5つの対策をプロが解説!

蓄電池を設置したのに電気代が思ったより安くならない
- 節約どころか、なぜか電気代が上がる月がある
- これから蓄電池を導入したいけど、失敗はしたくない
こんな悩みにお答えします。
高い費用をかけて蓄電池を導入したにもかかわらず、電気代の削減効果を実感できないと不安になりますよね。原因がわからないままでは、せっかくの設備が無駄になりかねません。
しかし、適切な知識を持って原因を突き止め、正しく対策すれば、蓄電池の性能を最大限に引き出すことができます。
この記事でわかることは、以下のとおりです。
- 蓄電池で電気代が節約できる3つの理由
- 蓄電池を設置しても電気代が上がる4つの原因
- 蓄電池で電気代をしっかり下げるための5つの対策
- 【導入前にチェック】蓄電池の設置がおすすめなご家庭とは?
- 蓄電池の導入をおすすめしないケース
- 電気代で損しない!蓄電池選びで失敗しないための比較ポイント
最後まで読めば、電気代に関する悩みの原因と解決策が明確になり、ご家庭に合った最適な蓄電池の活用方法が見つかります。
蓄電池を導入したにもかかわらず電気代が上がったという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
蓄電池で電気代が節約できる3つの理由
蓄電池は、電気を貯めたり使ったりする仕組みを活用することで、月々の電気代を節約できます。
その主な理由は、以下の3つです。
- 深夜の割安な電力を貯めて昼間に使えるから
- 太陽光発電で生まれた電気を夜間に活用できるから
- 悪天候でも貯めた電気でカバーできるから
まずは、どうして蓄電池の導入によって電気代を節約できるのかについて、くわしく見ていきましょう。
①深夜の割安な電力を貯めて昼間に使えるから
多くの電力会社では、夜間の電気料金が昼間に比べて安くなる料金プランを提供しています。
蓄電池は、この電気料金が割安な深夜の時間帯に電力を購入して貯めておき、電気料金が最も高くなる日中の時間帯に放電して使用します。これにより、高い電気を買わずに済むため、昼夜の電気料金の差額分だけ電気代を節約できる仕組みです。
この方法は、同じく夜間電力でお湯を沸かして光熱費を抑えるエコキュートと似た考え方に基づいています。
日中の在宅時間が長く、電気をたくさん使うご家庭ほど、この方法による節約効果は大きくなります。
②太陽光発電で生まれた電気を夜間に活用できるから
太陽光発電システムを導入しているご家庭の場合、太陽光発電は太陽が出ている日中にしか発電できません。
そのため、発電量が家庭での使用量を上回った場合、使い切れなかった余剰電力は電力会社に売電することになります。
しかし、蓄電池があれば、この日中に発電した余剰電力を売らずに貯めておくことが可能です。そして、太陽が沈んで発電ができなくなる夜間や、発電量が少ない早朝の時間帯に、蓄電池に貯めた電気を使うことで、電力会社から電気を買う必要がなくなります。
これにより、電気の自給自足率が格段に高まり、電気代を大幅に削減できるのです。
③悪天候でも貯めた電気でカバーできるから
太陽光発電システムを導入しているご家庭の場合、太陽光発電のデメリットは雨や曇りの日といった天候が悪い日には発電量が大きく減少してしまう点です。
なぜなら、天候が悪いとソーラーパネルが十分に発電できず、不足分を電力会社から購入する必要があるからです。
しかし、蓄電池があれば、前もって天気の良い日にたくさん発電して貯めておいた電気を悪天候の日に使えます。これにより、天候によって発電量が左右される不安定さをカバーし、電力会社から高い電気を買う機会を減らせます。
年間を通じて安定的に自家発電の電気を使えるようになるため、電気代の安定化と節約に貢献します。
蓄電池を設置しても電気代が上がる4つの原因
とはいえ、「蓄電池を設置すれば必ず電気代が安くなる!」と考えていると、思わぬ落とし穴にはまることも。
実際、設置後に電気代が思うように下がらなかったり、状況によっては以前より上がってしまったりするケースも少なくありません。
その原因は、蓄電池本体の問題というよりも、ご家庭の電気の使い方や周辺環境、設定ミスなど、複合的な要因が絡んでいることがほとんどです。
ここでは、電気代が上がってしまう代表的な原因を4つ紹介します。
- 原因①|太陽光発電システムを併用していない
- 原因②|太陽光発電システムの発電量が低下している
- 原因③|ライフスタイルに運転モードが合っていない
- 原因④|そもそも月々の電気代が安い
当てはまる項目はないか、それぞれチェックしておきましょう。
原因①|太陽光発電システムを併用していない
蓄電池を単体で設置した場合、電気代の節約方法は深夜の安い電力を買って貯め、昼間に使うという方法に限られます。
しかし、この方法だけでは節約効果が限定的、あるいは逆効果になる可能性があります。
なぜなら、蓄電池を充電するための電気は、たとえ深夜電力であっても有料で購入する必要があるからです。
たとえば、9kWといった大容量の蓄電池を満タンにするには相応の電気代がかかり、昼間に得られる節約効果を上回ってしまうことがあります。
太陽光発電があれば、発電した電気によってコストゼロで充電できますが、併用していない場合はかえって電気代が上がる原因になりかねません。
原因②|太陽光発電システムの発電量が低下している
太陽光発電システムを併用していても、発電量が低下していると電気代が上がる原因になります。
なぜなら、ソーラーパネルは長年の使用による経年劣化や、表面に付着した砂埃・鳥のフン・落ち葉などによって徐々に発電効率が落ちていくからです。
発電量が低下すると、家庭で消費する電気や蓄電池へ充電するための電気を十分に賄えなくなります。その結果、不足分を電力会社から購入する電気の量が増えてしまい、蓄電池を導入したにもかかわらず電気代が上がってしまうのです。
定期的な点検や清掃を怠っていると、知らないうちに発電量が減っている可能性があるので注意が必要です。
原因③|ライフスタイルに運転モードが合っていない
近年の蓄電池には、AIが自動で最適な運転を行う機能もありますが、基本的にはいくつかの運転モードが用意されています。
たとえば、電気代の節約を最優先する「経済モード」や、災害時の停電に備えて常に充電量を確保しておく「非常時備えモード」などです。
もし、節約を目的としているのに、非常時備えモードに設定していると、深夜の安い電力を十分に活用できず、節約効果が得られません。
また、日中の電気使用量が多いご家庭と、夜間の使用量が多いご家庭では、最適な運転パターンが異なります。
ご自身のライフスタイルと蓄電池の運転モードが合っていないと、その性能を活かしきれず、電気代が下がらない原因となってしまいます。
原因④|そもそも月々の電気代が安い
もともとの電気使用量が少なく、月々の電気料金が安いご家庭では、蓄電池を導入しても大きな節約効果は期待できません。
たとえば、毎月の電気代が数千円程度の場合、蓄電池で削減できる金額はごくわずかであり、100万円以上かかる高額な初期費用を回収するには非常に長い年月がかかってしまいます。
蓄電池は、電気を多く使うご家庭や、太陽光発電と組み合わせて電気の自家消費率を高めたい場合に、その真価を発揮する設備です。
電気代がもともと安いご家庭では、蓄電池の導入よりも、まずは電力プランの見直しや、省エネ家電への買い替えといった他の節約方法を検討する方が賢明です。
蓄電池で電気代をしっかり下げるための5つの対策

蓄電池を設置したのに電気代が下がらない、あるいは上がってしまった場合でも、いくつかの対策を講じれば状況を改善できます。
原因さえわかれば、適切な対処法は見えてきます。多くの場合、設定の見直しや少しの工夫で、蓄電池が本来持つ節約効果を引き出すことができます。
ここでは、電気代を確実に下げるために、今すぐ実践できる5つの具体的な対策を紹介します。
- 対策① |太陽光発電とセットで導入する
- 対策② |ライフスタイルに最適な運転モードに設定する
- 対策③ |電力会社の料金プランを見直す
- 対策④| 太陽光発電の定期的なメンテナンスを行う
- 対策⑤|蓄電池を導入する前に利用目的を見極める
ご自身の状況と照らし合わせながら、できることから始めてみましょう。
対策① |太陽光発電とセットで導入する
蓄電池による電気代の節約効果を最大化するための最も有効な対策は、太陽光発電システムとセットで導入することです。
なぜなら、太陽光発電によって作られた電気を蓄電池に貯めれば、充電にかかる電気代は実質ゼロになるからです。
これにより、夜間や天気の悪い日にも、購入した電気ではなく自家発電したクリーンな電気を使えるようになり、電力会社からの買電量を最小限に抑えられます。
蓄電池単体では深夜電力を活用するしかありませんが、太陽光発電と組み合わせることで「発電→蓄電→自家消費」という理想的なエネルギーサイクルが完成し、電気代の大幅な削減につながります。
また、余剰電力は電力会社に売電できるため、より経済的なメリットを実感できるでしょう。
対策② |ライフスタイルに最適な運転モードに設定する
蓄電池の運転モードを見直すことは、専門的な知識がなくてもすぐに実行できる効果的な対策です。
まずは、ご家庭の蓄電池が電気代の節約を目的とした「経済モード」や「自家消費優先モード」などに設定されているかを確認しましょう。
そのうえで、ご家庭の電気使用パターンに合わせた設定を検討します。
たとえば、日中に在宅していることが多いなら太陽光の電気を優先的に使い、夜間に多く使うなら昼間に貯めた電気を夜に使う設定が適しています。
家族構成や働き方が変わった際には、その都度ライフスタイルに合わせて運転モードを最適化しましょう。
対策③ |電力会社の料金プランを見直す
蓄電池を導入したタイミングや、ライフスタイルが変化したときは、契約している電力会社の料金プランを見直すことも非常に重要です。
特に、深夜電力で蓄電池を充電する場合は、昼間と夜間の料金差が大きいプランに変更することで、より高い節約効果が期待できます。
電力自由化によってさまざまな会社から特色あるプランが出ているため、比較検討し、ご家庭の電気の使い方に最も合ったプランに切り替えましょう。
対策④| 太陽光発電の定期的なメンテナンスを行う
太陽光発電と蓄電池を併用している場合、太陽光システムの発電効率を維持することが節約効果の維持に直結します。
ソーラーパネルの汚れは発電量低下の主な原因となるため、定期的な清掃が欠かせません。
また、目に見えない部分の劣化や機器の不具合を早期に発見するためにも、年に一度は専門業者によるメンテナンスを受けることをおすすめします。
発電量を常に高いレベルで保つことで、家庭で使う電気や蓄電池に貯める電気を安定して確保でき、結果として電力会社から買う電気を減らし、電気代を確実に下げられます。
対策⑤|蓄電池を導入する前に利用目的を見極める
蓄電池の導入で後悔しないためには、設置する前に「何のために蓄電池を使うのか?」という目的を明確にしておきましょう。
「電気代が安くなるらしい」という曖昧な理由だけでは、期待通りの節約効果が得られない可能性があるからです。特に、もともとの電気使用量が少ない家庭では、太陽光発電を併用しても十分な節約はできないでしょう。
主な目的が「太陽光発電の余剰電力を有効活用したい」なのか、「災害時の停電に備えたい」なのかによって、選ぶべき蓄電池の容量や機能も大きく異なります。
ご家庭の状況や何を優先したいのかをしっかりと考え、目的に合った製品を選ぶことが失敗を防ぐ鍵となります。
【導入前にチェック】蓄電池の設置がおすすめなご家庭とは?
蓄電池は決して安い買い物ではないため、導入が本当にご家庭にとってメリットがあるのかを慎重に見極める必要があります。
というのも、せっかく設置したのに期待した効果が得られなければ、大きな損失になりかねないからです。
そこで、どのような特徴を持つご家庭が蓄電池の導入に適しているのか、具体的なケースをいくつか紹介します。
これから導入を検討している方は、ご自身の家庭がこれらの条件に当てはまるかどうか、ぜひチェックしてみてください。
太陽光発電をすでに設置しているご家庭
すでに太陽光発電を設置しているご家庭は、蓄電池を導入するメリットが最も大きいと言えます。
特に、10年間の固定価格買取制度(FIT)の期間が満了した、いわゆる「卒FIT」のご家庭は、売電価格が大幅に下落してしまいます。そのため、余剰電力を安い価格で売るよりも、蓄電池を導入して自家消費に回す方が経済的にお得です。
発電した電気を貯めて夜間や朝夕に使えば、電力会社から電気を買う量を大幅に削減でき、電気の自給自足に近い生活を実現できます。
太陽光発電のメリットを最大限に活かすための最適なパートナーが蓄電池なのです。
オール電化住宅のご家庭
給湯や調理など、家庭内のすべてのエネルギーを電気で賄うオール電化住宅は、一般的に電気使用量が多く、電気代が高くなりがちです。
そのため、蓄電池を導入して電気代を削減するメリットは非常に大きくなります。
深夜の安い電力を貯めて日中に使ったり、太陽光発電と組み合わせたりすることで、月々の電気代を大幅に抑えられるでしょう。
また、災害による停電時、オール電化住宅はすべてのライフラインが止まってしまうリスクがあります。しかし、蓄電池があれば非常用電源として機能し、最低限の電化製品を動かせるため、生活の安心感を高められるメリットがあります。
日中の電気使用量が多いご家庭
在宅ワークの普及や、小さなお子様・ご高齢の方がいるご家庭など、日中の在宅時間が長く、電気の使用量が多い場合も蓄電池の導入がおすすめです。
電気料金プランの多くは、日中の電気単価が最も高く設定されています。
そのため蓄電池があれば、料金の安い深夜に貯めた電力や、太陽光発電でつくった電力をこの時間帯に使うことで、最も高い電気を買わずに済みます。
日中の電気使用を我慢することなく、エアコンなどを快適に使いながら、効率的に電気代を節約できるのは大きなメリットです。
災害時の停電に備えたいご家庭
電気代の節約だけでなく、地震や台風といった自然災害による停電への備えを重視するご家庭にとっても、蓄電池は非常に心強い存在です。
なぜなら、停電が発生しても蓄電池に貯めておいた電気があれば、以下のように最低限の生活を維持できるからです。
- 冷蔵庫を動かし続けて食料を守る
- 照明をつけて夜間の不安を和らげる
- スマートフォンやパソコンを充電して外部からの情報を得られる
さらに太陽光発電と併用していれば、停電が長引いても日中に発電して再び充電できるため、より長期間にわたって電気を使い続けられます。
このように蓄電池には、家族の安全と安心を守るための投資としても価値があります。
蓄電池の導入をおすすめしないケース
多くのメリットがある蓄電池ですが、残念ながらすべての家庭におすすめできるわけではありません。
なぜかと言うと、ご家庭の状況によっては導入しても期待した効果が得られず、高額な初期費用が負担になるだけの可能性があるからです。
蓄電池の導入後に後悔しないためにも、どのようなケースが蓄電池の設置に向いていないのかを前もって把握しておきましょう。
ここでは、蓄電池の導入を慎重に検討すべき、あるいは見送った方が良い具体的なケースについて解説します。
太陽光発電を設置する予定がない場合
現在、太陽光発電を設置しておらず、将来的にも設置する予定がないご家庭では、蓄電池単体での導入はあまりおすすめできません。
その理由は、節約の手段が「深夜の安い電力を買って昼間に使う」という方法に限定されてしまうからです。最近の電気料金プランでは昼夜の価格差が縮小傾向にあり、十分な節約効果を得られない可能性があります。
また、蓄電池を満充電にするための電気をすべて電力会社から購入する必要があるため、買電量が増え、かえって電気代が高くなるリスクもあります。
費用対効果を考えると、太陽光発電との併用が前提となる場合が多いです。
電気の使用量が極端に少ない場合
一人暮らしや日中は誰も家にいない共働きの世帯など、もともとの電気使用量が非常に少ないご家庭も蓄電池の導入には不向きです。
当然ながら、月々の電気代が安ければ、蓄電池によって削減できる金額の上限も低くなるからです。
毎月の電気代が数千円程度の場合、削減できるのは数百円レベルかもしれません。これでは、100万円以上かかることもある蓄電池の初期費用を回収することは、現実的に不可能です。
まずは現在の電気の使い方を見直し、より手軽に始められる省エネ対策に取り組む方が、はるかに経済的と言えます。
蓄電池の設置スペースがない場合
蓄電池本体は、エアコンの室外機よりも大きく重量もあるため、設置には一定のスペースが必要です。
一般的には、直射日光が当たらず、風通しが良く、しっかりとした基礎の上に設置します。また、将来のメンテナンスを考慮した作業スペースの確保も必要です。
都市部の住宅密集地やベランダが狭いマンションなどでは、この設置スペースを確保することが物理的に難しい場合があります。
無理に設置すると、機器の性能が十分に発揮されなかったり、騒音や振動で近隣トラブルの原因になったりする恐れもあるため、十分なスペースがない場合は導入を断念せざるを得ません。
補助金等を活用しても導入費用を捻出できない場合
家庭用蓄電池の価格は年々下がってきていますが、依然として高価な設備であることに変わりはありません。
国や自治体からの補助金制度を利用すれば自己負担額を減らせますが、それでも数十万円〜百万円以上のまとまった資金が必要です。
ローンを利用する方法もありますが、月々の返済が家計を圧迫してしまうようでは、電気代を節約する意味がありません。
補助金などを最大限活用したうえで、なお初期費用の捻出が難しい場合は、無理して導入するべきではありません。家計に余裕ができてから、改めて検討することをおすすめします。
電気代で損しない!蓄電池選びで失敗しないための比較ポイント

蓄電池の導入を決めた後、次に訪れるのが「どの製品を選ぶか」という重要なステップです。
国内外の多くのメーカーから、容量や機能が異なる様々な蓄電池が販売されており、専門知識がないと最適な一台を選ぶのは難しいと感じるかもしれません。
しかし、いくつかの基本的なポイントを押さえて比較検討すれば、ご家庭の状況にぴったり合った製品を見つけられます。
ここでは、蓄電池選びで失敗し、電気代で損をしないために、必ずチェックすべき4つのポイントを解説します。
1日の電気使用量に合った「蓄電容量」を選ぶ
蓄電容量(単位:kWh)は、蓄電池がどれだけの電気を貯められるかを示す最も基本的な性能です。この容量がご家庭の電気使用量に合っていないと、効果的な運用ができません。
たとえば、容量が大きすぎると価格が無駄に高くなり、小さすぎると必要な時に電気が足りなくなります。
最適な容量を選ぶには、まず電力会社の検針票や会員サイトで、ご家庭が1日にどれくらい電気を使っているか、特に夜間から朝にかけての使用量を把握することが重要です。
一般的に、この夜間に使用する電力量を少し上回る程度の容量を選ぶのが、無駄なく効率的に使える目安とされています。
使いたい家電に合わせた「出力」を確認する
出力(単位:kWまたはkVA)は、一度にどれくらいの電力を使えるかを示す数値です。
蓄電容量がタンクの大きさとすれば、出力は蛇口の太さに例えられます。
この出力が小さいと、以下のような消費電力の大きい家電を同時に使ったときに、蓄電池からの電力供給が追いつかず、ブレーカーが落ちてしまうことも。
- 電子レンジ
- ドライヤー
- IHクッキングヒーター
特に停電時にどの家電を使いたいかをあらかじめ想定し、それらの合計消費電力をまかなえるだけの出力がある蓄電池を選ぶことが、いざという時の安心感につながります。
使用目的にあった「タイプ」を選ぶ
蓄電池には、停電時に家中のどのコンセントでも電気が使える『全負荷型』と、あらかじめ指定した特定のコンセントや部屋だけで電気が使える『特定負荷型』の2種類があります。
全負荷型は停電時も普段に近い生活ができる安心感が魅力ですが、価格が高く、蓄えた電気の消費も早くなります。
一方、特定負荷型は価格が比較的安く、電力を本当に必要な場所に絞って供給するため、電気をより長時間使えます。
災害への備えを重視するのか、コストを優先するのか、ご家庭の目的に合わせてタイプを選びましょう。
長く安心して使える「寿命」と「保証」をチェックする
蓄電池は10年以上にわたって使用する高価な設備ですから、製品自体の寿命とメーカーの保証内容は非常に重要な比較ポイントです。
蓄電池の寿命は、繰り返し充放電できる回数を示す「サイクル数」で表されることが多く、この数値が大きいほど長寿命であると言えます。
また、メーカー保証については、何年間の保証が付いているかだけでなく、「保証期間内に蓄電容量が何%まで維持されるか」といった具体的な保証内容まで確認しましょう。
万が一の故障や自然災害に備えた補償が付いているかどうかも、長く安心して使い続けるための大切なチェックポイントです。
まとめ
今回は蓄電池を設置したのに電気代が上がってしまう原因と、その対策について解説しました。
電気代が上がる主な原因は以下の4つが考えられます。
- 原因①|太陽光発電システムを併用していない
- 原因②|太陽光発電システムの発電量が低下している
- 原因③|ライフスタイルに運転モードが合っていない
- 原因④|そもそも月々の電気代が安い
これらの原因に対し効果的な対策は次の5つです。
- 対策① |太陽光発電とセットで導入する
- 対策② |ライフスタイルに最適な運転モードに設定する
- 対策③ |電力会社の料金プランを見直す
- 対策④| 太陽光発電の定期的なメンテナンスを行う
- 対策⑤|蓄電池を導入する前に利用目的を見極める
蓄電池はご家庭の電気の使い方や目的に合わせて正しく選び、適切に運用すれば電気代の節約や災害への備えとして非常に有効な設備です。
もし現在設置している蓄電池の電気代が思うように下がらない場合は、本記事で紹介した原因に当てはまるものがないか確認し、対策を実践してみてください。
迷ったときや不明点があるときは、専門の販売店や設置業者に相談し、細かくシミュレーションを依頼することも後悔しないための重要なステップです。
これから導入を検討される方は失敗しないための比較ポイント(蓄電容量・出力・タイプ・寿命・保証)を参考に、ご家庭に最適な一台を見つけてくださいね。



