【丸わかり】太陽光発電は保険加入すべき?種類・補償範囲・値上げの背景を解説!

失敗
  • 太陽光発電ってメーカー保証だけで本当に十分なのか知りたい
  • 太陽光発電にはどんな保険の種類があるの?
  • 保険料が値上げしているって聞いたけど、どうして?

こんな悩みにお答えします。

太陽光発電を導入したものの、台風や落雷といった自然災害、あるいは思いがけない事故への備えに不安を感じていませんか。ローンで太陽光発電を設置した方であれば、思いがけない出費がローンの返済に乗っかることもあります。

結論、安心して太陽光発電を運営するためには、適切な保険への加入をおすすめします。

この記事では以下のとおり、太陽光発電の保険についての種類や補償範囲、近年の保険料値上げの背景までわかりやすく解説します。

  • 太陽光発電に保険が必要な理由
  • 実は国も推奨!太陽光発電事業者の保険加入は「努力義務」に
  • 太陽光発電で加入を検討すべき主な4種類の保険
  • 太陽光発電の保険料が高騰?近年見られる3つの傾向
  • 後悔しない!太陽光発電の保険を選ぶときの3つのポイント
  • 太陽光発電の保険に関するよくある質問

この記事を読めば、ご自身の太陽光発電設備に最適な保険がわかり、将来のリスクにしっかりと備えられるようになります。

「あのとき保険に加入しておけばよかった」とならないように、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

目次

太陽光発電に保険は本当に必要?メーカー保証だけでは不十分な理由

スーツ姿の男性が手を差し出す様子、契約や商談成立をイメージした写真

結論からいうと、太陽光発電の運用には保険への加入をおすすめします。

多くの人が「メーカー保証があるから大丈夫」と考えがちですが、実はメーカー保証だけではカバーできないリスクが数多く存在するからです。

用意されているメーカー保証はあくまで製品の不具合に対する保証であり、自然災害や事故による損害は対象外となるケースがほとんどです。

この保証の穴を埋め、大切な資産を守るために保険が必要になるという理由について、くわしく見ていきましょう。

メーカー保証①:機器の不具合に対応する「製品保証」

メーカー保証の一つである「製品保証」は、太陽光発電システムの製造過程に原因がある機器の不具合に対応するためのものです。

たとえば、ソーラーパネルやパワーコンディショナーといった機器が、通常の使用方法にもかかわらず故障した場合に、保証期間中であれば無償で修理や交換といった対応を受けられます。

保証期間はメーカーによって異なりますが、一般的に10年から15年程度に設定されています。

製品保証は、あくまでメーカー側の製造上の欠陥や、製品そのものの性能に問題があった場合に適用されるものであり、外部からの要因による故障は対象外となる点にご注意ください。

メーカー保証②:発電量の低下を補う「出力保証」

もう一つのメーカー保証が「出力保証」です。

出力保証とは、太陽光パネル(モジュール)の性能が経年により低下し、メーカーが定める基準の発電量を下回った場合に適用されます。

太陽光発電システムは長期間使用すると少しずつ発電効率が落ちていきますが、その低下率が想定の上限を超えた際に、修理や部品交換の対応をしてもらえます。

出力保証の期間は製品保証よりも長く設定されているのが一般的で、20年から25年という長期間の保証が多いです。

しかし、出力保証もパネル自体の性能に関する保証であり、災害などによる発電量の低下を補うものではありません。

【注意点】メーカー保証では自然災害や盗難は対象外になるケースが多い

つまり、最も注意すべき点は、メーカー保証(製品保証や出力保証)では自然災害や盗難による被害が対象外になるケースが多いということです。

たとえば、次のような災害被害は、基本的にメーカー保証ではカバーされません。

  • 台風によるパネルの破損
  • 落雷によるパワーコンディショナーの故障
  • 洪水によるシステムの水没
  • 火災による焼失

また、近年増加しているケーブルの盗難や、飛来物による破損といった不測の事態も同じです。

これらのメーカー保証が対応しない範囲のリスクに備えるためには、別途、損害保険への加入が必要不可欠といえます。

実は国も推奨!太陽光発電事業者の保険加入は「努力義務」に

太陽光発電への保険加入は、個人の備えとしてだけでなく、実は国からも推奨されています。

特に、FIT(固定価格買取制度)やFIP制度の認定を受けている事業者(特に10kW以上の事業用を設置している場合)にとって、保険加入は「努力義務」と位置づけられています。

これは、2022年4月に改正された再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(再エネ特措法)に基づくものです。

資源エネルギー庁が公表した「事業計画策定ガイドライン」において、災害などによる長期の発電停止を防ぎ、安定した電力供給を維持するために、事業者は保険などによって損害に備えるべきことが明記されました。

法的な強制力はありませんが、国が安定運用のために保険加入を強く推奨していることがわかります。

太陽光発電で加入を検討すべき主な4種類の保険

太陽光発電設備を取り巻くさまざまなリスクに備えるためには、いくつかの保険を組み合わせて検討するのが一般的です。

メーカー保証ではカバーできない自然災害や事故、第三者への損害賠償など、想定されるリスクに応じて適切な補償を選ぶ必要があります。

太陽光発電オーナーが加入を検討すべき代表的な保険は、以下の4種類です。

  • 火災保険
  • 地震保険
  • 損害賠償責任保険
  • 休業損害補償保険

それぞれの特徴について見ていきましょう。

火災保険

火災保険は、太陽光発電設備を守るための最も基本的な保険です。

名称から火事のみを補償するイメージを持たれがちですが、実際には非常に守備範囲が広く、多くの自然災害による損害をカバーします。

具体的には、以下のような天災による設備の破損や故障が補償対象です。

  • 落雷
  • 風災(台風)
  • ひょう災
  • 雪災

また、オプション(水災補償)を付帯すれば、豪雨や洪水による水没被害にも備えられます。

太陽光発電設備が住宅の屋根など建物に設置されている場合は「建物」の一部として、野立てなど独立している場合は「動産」として契約するのが一般的です。物件の種類に応じた火災保険に加入することで、多くの災害リスクに備えられます。

地震保険

地震保険は、その名の通り地震や噴火、またはこれらによる津波を原因とする損害に備えるための保険です。

注意点として、これらの損害は火災保険だけでは補償されません。そのため、地震によって発生した火災や、津波による設備の流失などをカバーするためには、地震保険への加入が必須です。

また、地震保険は単体で契約することはできず、原則として火災保険とセットで加入する必要があります。

日本は地震大国であるため、特に地震のリスクが高い地域に設備を設置している場合は、火災保険とあわせて地震保険への加入も検討しましょう。

地震保険を付けたときの補償額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で設定されます。

損害賠償責任保険

損害賠償責任保険は、所有する太陽光発電設備が原因で他人(第三者)に損害を与えてしまった場合の賠償リスクに備える保険です。

たとえば、強風でソーラーパネルが飛散して隣家の屋根を破損させたり、通行人にケガをさせてしまったりといった事例は少なくありません。

このような場合、設備の所有者や管理者としての管理不備を問われ、多額の損害賠償を請求される可能性があります。損害賠償責任保険に加入していれば、こうした法律上の賠償金や訴訟費用などが補償されるため、近隣トラブルへの備えとして非常に重要です。

特に、住宅密集地や人の往来が多い場所に設備がある場合には、加入の必要性が高まります。

休業損害補償保険

休業損害補償保険は、主に投資目的で太陽光発電事業を行う事業者向けの保険です。

自然災害や突発的な事故によって発電設備が損壊し、発電が停止してしまった場合、復旧するまでの間に得られるはずだった売電収入の損失が補償されます。

発電がストップすると収益が途絶える一方で、ローンの返済や土地の賃料といった固定費の支払いは続きます。つまり、休業損害補償保険に加入していれば、復旧期間中の利益損失や運転資金をカバーできるため、事業の安定継続につながります。

特に、大規模な太陽光発電所を運営し、売電収入が事業の柱となっている場合には、万一の事態に備えて加入を検討してみてはいかがでしょうか。

太陽光発電の保険料が高騰?近年見られる3つの傾向

近年、太陽光発電を含む火災保険料が全体的に値上げ傾向にあります。

これから保険に加入する人や、すでに契約している人にとっても、保険料の上昇は気になるところですよね。

値上げの背景には、自然災害の増加や保険会社の収支バランスの変化など、いくつかの要因が絡み合っています。

特に注目すべき3つの傾向は、以下のとおりです。

  • 傾向①:自然災害の増加による保険料の値上げ
  • 傾向②:自己負担額となる「免責金額」の設定や変更
  • 傾向③:「盗難」が補償対象外になるケースの増加

近年の太陽光発電の保険をめぐる状況について、それぞれ確認していきましょう。

傾向①:自然災害の増加による保険料の値上げ

保険料が値上げされる最も大きな要因は、自然災害の増加と激甚化です。

ニュースや新聞で報道されているとおり、近年は下記のような災害が頻発しており、それに伴って保険金の支払い額が急増しています。

  • 大型の台風
  • ゲリラ豪雨
  • 広範囲に被害をもたらす大雪

特に2018年の西日本豪雨や台風21号、2019年の台風15号・19号などは甚大な被害をもたらし、保険会社の収支を大きく圧迫しました。

このような状況を受け、損害保険各社は事業の健全性を保つために保険料率の改定を余儀なくされており、2022年10月にも大手損保会社で火災保険料の全国平均10%を超える大幅な値上げが実施されました。なお、この傾向は今後も続くと予想されています。

傾向②:自己負担額となる「免責金額」の設定や変更

保険料の値上げとあわせて、自己負担額である「免責金額」を設定する保険契約も増加しています。

免責金額とは、損害が発生したときに、契約者が自分で負担する金額のことです。

たとえば、免責金額が20万円に設定されている場合、損害額が50万円であれば保険金として支払われるのは30万円となります。

従来は風災などに対して免責金額なしで契約できるプランもありましたが、最近では20万円などの高額な免責金額が必須条件となるケースが増えています。

もちろん保険会社の商品によってさまざまですが、軽微な損害の場合は保険金を受け取れない可能性もあるため、契約時には免責条件をしっかりと確認しておきましょう。

傾向③:「盗難」が補償対象外になるケースの増加

昨今、金属価格の高騰を背景に、太陽光発電所に敷設されている銅線ケーブルの盗難被害が全国で急増しています。

こうした状況を受け、保険会社は盗難リスクを非常に高く見積もるようになり、補償内容を縮小する動きが見られます。

具体的には、盗難による損害が補償の対象外となったり、補償を受けるためには別途高額な特約が必要になったりするケースが増加しているのです。

特に野立ての太陽光発電所など、人の目が届きにくい場所にある設備は盗難のリスクが高いため、加入を検討している保険が盗難被害をカバーしているか、契約前に物的財産に関する補償内容を細かく確認しておきましょう。

後悔しない!太陽光発電の保険を選ぶときの3つのポイント

太陽光発電の保険は、数多くの保険会社がさまざまな商品を提供しており、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。

しかし、ポイントを押さえて比較検討すれば、ご自身の設備と状況に最適な保険を見つけられます。

後悔しない保険選択のためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

  • ポイント①:必要な補償内容と保険料のバランスを見極める
  • ポイント②:複数の保険会社から見積もりを取って比較する
  • ポイント③:実績が豊富で信頼できる代理店に相談する

契約後に「こんなはずではなかった」とならないよう、必ずチェックしてみてください。

ポイント①:必要な補償内容と保険料のバランスを見極める

保険を選ぶうえで最も重要なのは、必要な補償内容と保険料のバランスを見極めることです。

補償を手厚くすれば安心感は増しますが、その分保険料は高くなるからです。逆に、保険料を安くすることに注力しすぎれば、本来必要な補償を備えられなくなります。

まずは、所有する設備の立地条件を考慮し、どのようなリスクが高いかを把握しましょう。

たとえば、川の近くなら水災補償、台風が多い地域なら風災補償を手厚くするなど、ハザードマップなどを参考に優先順位をつけましょう。

自身の設備の状況と潜在的なリスクを洗い出し、過不足のない補償プランを組み立てることが、無駄な費用を抑えつつ効果的に備えるための鍵となります。

ポイント②:複数の保険会社から見積もりを取って比較する

保険を検討する際は、必ず複数の保険会社から見積もりを取り、比較することが大切です。

なぜなら、同じような補償内容でも、保険会社によって保険料や付帯できる特約、事故対応の体制は異なるからです。

たとえば、東京海上日動や三井住友海上、損害保険ジャパンといった大手損害保険会社は、それぞれ特徴の異なる商品を提供しています。大手ではなくてもしっかり補償を備えられるケースもありますし、納得のいく補償内容で保険料を安く済ませられるケースもあります。

複数の見積もりを比較することで、保険料の相場感を把握できるだけでなく、各社の商品の強みや弱みを理解し、よりあなたにとって有利な条件の保険を見つけられます。

手間を惜しまずに相見積もりを取り、じっくりと内容を検討しましょう。

ポイント③:実績が豊富で信頼できる代理店に相談する

保険の専門知識に不安がある場合は、実績が豊富で信頼できる保険代理店に相談することも有効な選択肢です。

専門の代理店は複数の保険会社の商品を取り扱っているため、中立的な立場で最適なプランを提案してくれます。また、太陽光発電に関する知識が豊富な代理店であれば、特有のリスクを踏まえた的確なアドバイスが期待できます。

面倒な見積もりの依頼や保険会社とのやり取りを代行してくれるため、手間を大幅に削減できる点もメリットです。

事故が起きた際の請求サポートなども含め、安心して任せられるパートナーを見つけることが安心につながります。

太陽光発電の保険に関するよくある質問

ここでは、太陽光発電の保険に関して多くの方が抱く質問や疑問について、わかりやすくお答えします。

先回りして、これから抱えるかもしれない疑問や不安を解消しておきましょう。

太陽光発電の保険に加入する必要はありますか?

保険への加入は強く推奨します。

メーカー保証だけだと、機器の不具合が対象であり、台風などの自然災害や事故による損害は補償されないからです。

また、事業用の太陽光発電設備では、国のガイドラインで保険加入が努力義務と明示されていることからも、安定した事業運営のためにも保険は備えておきたいところです。

太陽光発電の保険料の相場はいくらくらいですか?

保険料は設備の容量や補償内容、立地条件で大きく異なります。

あくまで目安ですが、住宅用(10kW未満)を火災保険でカバーする場合、年間で数千円〜2万円程度が一般的です。とはいえ、多くのご家庭では太陽光発電だけでなく、住宅(家屋)の補償と一緒に加入するケースが大半です。

産業用はリスクが多様なため個別見積もりとなりますが、設備価格の0.2%〜0.5%程度が相場といわれています。

保険料は状況によってケースバイケースなので、必ず詳細な情報をもとに複数社に試算してもらいましょう。

家庭用と産業用で加入する保険に違いはありますか?

家庭用は住宅向けの火災保険の補償対象に含めるのが一般的です。

一方、事業用はリスクの規模が大きく、事業用の火災保険や動産総合保険に加入します。

特に売電事業を行う場合、発電停止中の収入減を補う「休業損害補償」の必要性が高まります。

パネルやケーブルの盗難被害に備える方法はありますか?

物理的な対策と保険での備えが有効です。

具体的には、防犯カメラやセンサーライト、フェンスを設置して侵入を防ぐ物理的対策がまず重要です。そのうえで、保険契約に盗難補償が含まれているかを確認します。

近年、盗難は補償対象外となるケースも増えているため、特約の付帯が必要か必ず確認しましょう。

PPAで導入した太陽光発電設備は誰が保険加入すべきですか?

原則として、設備の所有者であるPPA事業者が保険に加入します。

利用者は初期費用なしで設備を設置できますが、所有権は事業者にあるからです。

ただし、契約内容によっては利用者側が負うべき責任範囲が定められている場合もあるため、事前にPPA事業者と保険の補償範囲をよく確認することが重要です。

まとめ

今回は太陽光発電の保険について、その必要性から種類、選び方のポイントまで解説しました。

太陽光発電は長期にわたって運用する設備だからこそ、予期せぬリスクへの備えとして保険加入も検討しましょう。もちろんメーカー保証もありますが、「製品保証」や「出力保証」だけでは自然災害などのリスクへ対処しきれないからです。

太陽光発電オーナーが加入を検討すべき代表的な保険は、以下の4種類です。火災保険を基本に、必要に応じて地震保険や賠償責任保険などを組み合わせましょう。

  • 火災保険
  • 地震保険
  • 損害賠償責任保険
  • 休業損害補償保険

とはいえ、近年は自然災害の増加や盗難被害の急増により、保険料の値上げや補償内容の変更が進んでいます。特に注目すべき3つの傾向は、以下のとおりです。

  • 傾向①:自然災害の増加による保険料の値上げ
  • 傾向②:自己負担額となる「免責金額」の設定や変更
  • 傾向③:「盗難」が補償対象外になるケースの増加

保険を選ぶ際は、リスクと保険料のバランスを見極め、複数の会社を比較検討することが欠かせません。

適切な保険を選択することは、単なるコストではなく、大切な資産を守り、安心して太陽光発電事業を運営するための重要な投資ともいえます。

この記事を参考に、ご自身の設備に最適な保険を見つけ、長期的なメリットを最大化しましょう。

この記事を書いた人

太陽光発電の普及を通じて、クリーンで持続可能なエネルギー社会の実現に貢献したいと考えています。
革新技術に挑戦し、環境保護とエネルギー効率向上を目指します。

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