【2026年版】卒FIT後はどうすればいい?売電単価の現実と「蓄電池で自家消費」への切り替えガイド
「もうすぐ太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)の期間が終わる」「卒FIT後は売電単価が大きく下がると聞いて不安」「このまま売電を続けるべきか、それとも蓄電池を入れるべきか分からない」——そんなお悩みをお持ちではありませんか?
結論からお伝えすると、卒FIT後は売電単価が大幅に下がるため、発電した電気を「売る」よりも「貯めて自分で使う(自家消費)」に切り替えるほうが、ほとんどのご家庭で家計にプラスになります。近年の電気代高騰も、自家消費へのシフトを後押しする大きな追い風になっています。
とはいえ、「売電単価は実際いくらになるの?」「蓄電池を入れて本当に元が取れるの?」という点が気になりますよね。この記事では、以下の内容を、2026年6月時点の最新情報をもとにくわしく解説します。
- そもそも「卒FIT」とは何か、10年で何が変わるのか
- 卒FIT後の売電単価の”現実”と、なぜここまで下がるのか
- 卒FIT後にとれる3つの選択肢とメリット・デメリット
- なぜ今「自家消費」が最もお得なのか(売電と買電の単価比較)
- 蓄電池導入で失敗しないためのポイント
読み終わるころには、ご自宅の太陽光発電を「卒FIT後にどう活かせば一番得なのか」がはっきり分かるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

そもそも「卒FIT」とは?10年で何が変わるのか
まずは「卒FIT」という言葉の意味と、卒FITを迎えると何が変わるのかを整理しておきましょう。
FIT(固定価格買取制度)の仕組み
FITとは、太陽光発電などでつくった電気を、国が定めた固定価格で一定期間、電力会社に買い取ってもらえる制度です。住宅用の太陽光発電(出力10kW未満)の場合、買取期間は10年間と定められています。
この10年間は、設置した年度の単価が固定で適用されます。たとえば2015年度に設置した方は33円/kWh前後、2016年度なら31円/kWh前後と、当時は比較的高い単価で売電できていました。だからこそ「売電収入で設備費を回収する」というモデルが成り立っていたのです。
「卒FIT」とは買取期間が満了した状態のこと
卒FITとは、この10年間の固定買取期間が満了し、FIT制度から「卒業」した状態を指します。住宅用太陽光の最初の卒FIT世代が登場したのは2019年11月(いわゆる「2019年問題」)で、それ以降、毎年多くのご家庭が順次卒FITを迎えています。
卒FITを迎えても、太陽光パネル自体が使えなくなるわけではありません。発電はこれまでどおり続きます。変わるのは「余った電気を売るときの単価」です。固定された高い単価がなくなり、各電力会社が独自に設定する単価での買取に切り替わります。
自宅がいつ卒FITになるかの確認方法
ご自宅の卒FIT時期は、太陽光発電の「連系(系統連系)を開始した年月」から10年後が目安です。電力会社から届いた「電力受給契約のお知らせ」や、毎月の購入明細、設置業者の契約書類などで確認できます。多くの電力会社は、卒FITが近づくと事前に案内を送付してくれます。
「いつ設置したか分からない」「書類が見つからない」という場合は、お早めに電力会社や設置業者に確認しておくと安心です。卒FIT後に何も手続きをしないと、自動的に各社の標準的な(多くは割安な)単価で買い取られる状態になってしまうためです。
卒FIT後の売電単価の”現実”|なぜここまで下がるのか
もっとも気になるのが「卒FIT後、売電単価はいくらになるのか」という点でしょう。ここでは2026年6月時点の、東京電力エリア(神奈川県を含む)の実際の単価を見ていきます。

大手電力会社の買取単価は8.5円前後まで下がる
卒FIT後、契約をそのままにしておくと、大手電力会社(東京電力エナジーパートナーなど)の標準的な買取単価が適用されます。東京電力エリアの場合、その単価は8.5円/kWh前後です。
FIT期間中が31〜33円/kWhだったことを考えると、およそ4分の1の水準まで下がる計算です。「売電収入が急に減って驚いた」という声が多いのは、この大きな下落幅が理由です。
新電力に乗り換えれば11〜14円台のプランもある
一方で、売電先を新電力などの買取サービスに切り替えると、大手より高い単価で買い取ってもらえる場合があります。2026年6月時点の東京電力エリアでは、おおむね次のような水準です。
| 買取サービス(例) | 買取単価の目安 |
|---|---|
| 大手電力(東京電力エナジーパートナー) | 約8.5円/kWh |
| 東急パワーサプライ | 約11.1円/kWh |
| idemitsuでんき | 約11.5円/kWh |
| エネクスライフサービス | 約12.5〜13.5円/kWh |
| スマートテック(スマートFIT) | 約14.6円/kWh |
このように、新電力に乗り換えれば大手より2〜6円ほど高くなることもあります。ただし、多くのプランは「自宅で使う電気(買電)の契約もセットにする」など条件付きです。買電側の料金が割高になると、トータルで損をするケースもあるため、売電単価だけでなく買電料金も含めて比較することが大切です。
なぜ卒FIT後の単価はこんなに安いのか
卒FIT後の単価が安いのは、FITのような国の補助(賦課金による上乗せ)がなくなり、電力会社が市場価格に近い水準でしか買い取らなくなるためです。卒FIT後の電気は「市場で取引される卸電力の価格」がベースになるため、どうしても10円前後の水準に落ち着きます。
つまり、卒FIT後は「高く売る」こと自体が難しくなります。だからこそ、発想を「売る」から「自分で使って電気代を浮かせる」へ切り替えることが、家計を守るカギになるのです。
卒FIT後にとれる3つの選択肢
卒FITを迎えたあと、主な選択肢は次の3つです。それぞれのメリット・デメリットを整理しました。

選択肢①:そのまま大手電力で売電を続ける
もっとも手間がかからないのが、特に何もせず大手電力での売電を続ける方法です。手続き不要で、これまでどおり余った電気を自動的に買い取ってもらえます。
ただし単価は8.5円/kWh前後と低く、売電収入は最小限になります。「とにかく手間をかけたくない」という方向けですが、経済的なメリットは小さい選択肢です。
選択肢②:売電先を新電力に乗り換える
売電先を、より高く買い取ってくれる新電力に切り替える方法です。前述のとおり11〜14円台のプランもあり、大手のまま売電するより収入アップが見込めます。
一方で、買電契約とのセット条件や、キャンペーン単価の終了後に下がるリスクもあります。それでも売電単価そのものは買電単価(30円以上)に遠く及ばないため、「売電を続ける」という枠組みの中での改善にとどまる点は理解しておきましょう。
選択肢③:蓄電池を導入して自家消費に切り替える
そして、多くのご家庭でもっとも経済メリットが大きいのが「蓄電池の導入」です。日中に発電した電気を蓄電池に貯めておき、夜間や朝夕など発電できない時間帯に使うことで、電力会社から買う電気(買電)を大きく減らせます。
売電単価が8.5円なのに対し、買う電気は30〜41円/kWh。「8.5円で売る電気」を「30円以上で買う電気の代わりに使う」ことで、実質的に1kWhあたり20〜30円分も得をする計算になります。さらに停電時の備えにもなり、防災面の安心も得られます。次の章でこの経済メリットをくわしく見ていきましょう。
なぜ今「自家消費」が最もお得なのか|売電8.5円 vs 買電30〜41円
卒FIT後に自家消費が有利になる理由は、たった一つ。「売る単価」より「買う単価」のほうがはるかに高いからです。

売る単価と買う単価の差が”そのまま得”になる
現在、ご家庭が電力会社から買う電気の単価は、再生可能エネルギー発電促進賦課金などを含めると1kWhあたりおおよそ30〜41円になります。一方、卒FIT後に売る電気は8.5円/kWh前後。
つまり、同じ1kWhの電気でも「売れば8.5円」「自分で使えば30〜41円分の節約」と、3.5〜5倍近い差が生まれます。発電した電気を売らずに自家消費へ回すほど、この差額がまるごと家計のプラスになるのです。
年間でどれくらい差が出るのか(シミュレーション例)
仮に、年間4,500kWhの余剰電力があるご家庭で比較してみましょう。
- すべて売電した場合:4,500kWh × 8.5円 = 約38,000円/年
- すべて自家消費に回した場合:4,500kWh × 約41円 = 約184,000円/年(買う電気を減らせる効果)
このように、同じ発電量でも年間で14万円以上もの差が生まれる可能性があります。実際には発電した電気をすべて貯めて使えるわけではありませんが、蓄電池を導入して自家消費率を高めるほど、この差額に近づいていきます。具体的なご家庭ごとの試算は、関連記事もあわせてご覧ください。
▶ 関連記事:【全12パターン】太陽光+蓄電池の家庭別シミュレーションを徹底解説!
電気代高騰が自家消費の追い風になっている
近年は燃料価格の上昇などで電気代が高止まりしています。買う電気が高くなるほど、自家消費で「買わずに済ませる電気」の価値も大きくなります。電気代が高い今こそ、自家消費への切り替えメリットが最大化しているといえるでしょう。
なお、2025年10月以降に新たに太陽光を設置する場合のFIT(初期投資支援スキーム)では、最初の4年が24円/kWh、5〜10年目は8.3円/kWhという2段階単価になりました。後半の8.3円は卸電力市場に連動した水準で、これも「後半は売るより自家消費が有利」という流れを裏づけています。これから設置する方も、卒FIT世代と同じく「自家消費前提」で考える時代になっているのです。
蓄電池導入で失敗しないための3つのポイント
「自家消費が得なのは分かったけれど、蓄電池は高い買い物。失敗したくない」という方のために、後悔しないためのポイントを3つご紹介します。
①容量は「夜間に使う電気量」を基準に選ぶ
蓄電池は容量(kWh)が大きいほど高価になります。大きすぎると使い切れず、小さすぎると貯めた電気がすぐ尽きてしまいます。ポイントは「日没後〜翌朝に使う電気量」に合わせること。一般的なご家庭では5〜10kWh前後が目安ですが、オール電化やEV充電の有無で最適な容量は変わります。
▶ 関連記事:蓄電池で電気代が上がった要因とは?4つの原因と5つの対策をプロが解説!
②補助金を活用して初期費用を抑える
蓄電池は、国や自治体の補助金を活用することで初期費用を大きく抑えられます。神奈川県や各市町村でも、年度ごとに蓄電池向けの補助制度が用意されることがあります。補助金は予算上限に達すると早期終了することも多いため、導入を考えるなら早めの情報収集がおすすめです。
▶ 関連記事:【2025年版】太陽光発電の補助金まとめ|申請条件や注意点をくわしく解説!
③信頼できる地域の設置業者を選ぶ
蓄電池は設置後も長く使う設備です。だからこそ、設置後のメンテナンスや保証まで対応してくれる、地域に根ざした業者を選ぶことが大切です。複数社から見積もりを取り、容量の提案根拠や保証内容、アフター対応をしっかり比較しましょう。「元が取れるのか不安」という方は、次の関連記事も参考になります。
▶ 関連記事:太陽光・蓄電池は元が取れない?経済効果と後悔しないための対策を解説!
卒FITに関するよくある質問
Q. 卒FIT後、何も手続きしないとどうなりますか?
A. 多くの場合、自動的に大手電力会社の標準的な買取単価(東京電力エリアで8.5円/kWh前後)が適用されます。発電・売電自体は止まりませんが、単価が低いままになるため、売電先の見直しや自家消費への切り替えを検討する価値があります。
Q. 卒FIT後に蓄電池を入れると売電はできなくなりますか?
A. いいえ。蓄電池を入れても、使い切れずに余った電気は引き続き売電できます。蓄電池は「まず自家消費に回し、それでも余ったら売る」という運用になるため、売電と自家消費の”いいとこ取り”が可能です。くわしくは蓄電池で売電はできる?太陽光発電と併用する3つのメリット・注意点をご覧ください。
Q. 卒FIT後でも太陽光パネルはそのまま使えますか?
A. はい。FIT期間が終わってもパネルや発電は問題なく使えます。一般的に太陽光パネルの寿命は20〜30年とされており、卒FIT(設置10年)はまだ折り返し地点です。むしろここからは「自家消費でしっかり活かす」フェーズと考えるのがおすすめです。
Q. 蓄電池の寿命はどれくらいですか?
A. 製品によりますが、家庭用蓄電池の寿命はおおむね10〜15年(サイクル回数で表されることが多い)です。保証期間(10年または15年)が設定されている製品が多いため、購入時は保証内容も必ず確認しましょう。
まとめ|卒FIT後は「売る」から「貯めて使う」へ
本記事の内容をまとめると、以下のとおりです。
- 住宅用太陽光のFIT買取期間は10年。満了すると「卒FIT」となり、売電単価が大きく下がる
- 卒FIT後の売電単価は、東京電力エリアの大手で8.5円/kWh前後。新電力に乗り換えても11〜14円台が上限
- 一方、買う電気は30〜41円/kWh。売るより「自分で使う」ほうが3.5〜5倍お得になる
- 蓄電池を導入して自家消費率を高めれば、年間で十数万円規模の差が生まれる可能性がある
- 蓄電池は「容量選び・補助金・信頼できる業者選び」の3点が成功のカギ
卒FITは「収入が減るピンチ」のように感じるかもしれませんが、見方を変えれば「発電した電気を最大限に活かして、毎月の電気代を大きく減らすチャンス」です。電気代が高い今だからこそ、自家消費への切り替えメリットはこれまでになく大きくなっています。
「自分の家だと蓄電池で元が取れる?」「どの容量が最適?」「使える補助金は?」——そんな疑問は、まず地域の専門業者に相談し、ご自宅の発電量や電気の使い方に合わせて試算してもらうのが近道です。エコナビ本舗(神奈川県平塚本店)では、卒FIT後の最適な活用方法や蓄電池選びについて、無料でご相談を承っています。お電話・LINE・メールよりお気軽にお問い合わせください。



